あなたは「マイナス金利」って聞いたことありますか?

通常、銀行にお金を預ければ利子が付きます。マイナス金利とはその反対です(笑)。
つまり、銀行にお金を預けると逆に利子を取られてしまう。 

「え~そんなことあって良いの?」
「あるわけ無いじゃん」
と思うのが普通ですが、時には常識では考えられないことが起こるものです。 

欧州で導入済み


欧州中央銀行(ECB)では2014年6月より預金利子を0%から-0.1%に。さらに9月からは-0.2%に・・・欧州中央銀行(ECB)とは、いわば銀行の銀行、日本の日銀に相当します。 

欧州中央銀銀行の主な業務は3つ
・ユーロ圏の金融政策実施
・一般銀行に融資
・ユーロ紙幣を発行
ちなみに、欧州中央銀行以外にも、スイス・スウェーデン、デンマークの中央銀行もマイナス金利を導入しています。

「マイナス金利」という非常識を実行することで、3つのことを期待しています。
風が吹けば桶屋が儲かる風に考えると・・・
(1) 民間銀行は中央銀行にお金を預けず、企業にお金を貸すようになる
(2) 市場にお金が出回り、お金の価値が低くなる
(3) 輸出で有利になり、景気が回復する

この図は、三井住友信託銀行さんからお借りした資料です。

201504_img_01 (Bloombergのデータを基に三井住友信託銀行が作成)

2015年になって、ユーロ圏、スイス、スウェーデン、デンマークとそれぞれの中央銀行なマイナス金利を導入しています。それでも民間銀行は中央銀行にお金を預け、インフレが改善しないため、欧州中央銀行、スウェーデンでは量的緩和をしています。

 

民間銀行が中央銀行にお金を預ける理由


それは、民間銀行が自前で現金を保管するよりも、マイナス金利分を支払っても中央銀行にお金を預けたほうがコストが安いからです。 

銀行の地下には大きな金庫があって、分厚い扉の向こうには、札束や金塊などがうず高く積まれてある・・・。最近までそう思っていました。ところが、銀行の地下には、あなたが想像しているでかい金庫はありませんし、うず高く積まれた札束や金塊もありません。金庫やその中身を管理することを考えると、年間のコストは、「年間で保有する金額の1%以上」との試算があります。

それを考えると、最もマイナス金利が高いスウェーデンですら0.75%ですから、民間銀行にとって、これから自前で金庫を作るよりも、マイナス金利を支払って中央銀行に預けるほうがコストが安いと判断します。

ここまでは、民間銀行と中央銀行の話です。

それよりも気になるのは、マイナス金利になった時に、私たちがお金を預けたときに、「銀行に利子を払う」ということがあるかってこと!

でもちょっとまってください。冷静に考えると、逆に住宅ローンなどを借りていたら、逆にお金がもらえたるするのかも・・・

デンマークでは、銀行の住宅ローンでお金を借りつつ、利子を受け取っている人もいるようです。マイナス金利になれば、貯金は全部下ろして、銀行から借金するのが良いですねぇ〜
そうすれば、大量のお金が市場に流れ、お金の価値が下がり、特に輸出に強い日本は景気を回復する!ということなんです。

常識は一瞬で非常識になる


 アラフォー世代のお金の3常識とは
・貯金しろ
・借金するな
・保証人になるな

いつの時代にも常識がありますが、その常識も一瞬にして変わることがあります。
「マイナス金利」になると借金するほうがトクという発想ができるように、いつ逆転しても良いような心構えが大切です。

我々日本人は、新しいことを受け入れやすい民族と言われています。この先、私達が常識だと思い込んでいたことが、一瞬にして非常識になることが多くなるでしょう。そうなったとしても柔軟な心があれば乗り越えていけますね。