世界の基軸通貨と言えば米ドルです。しかし、昔からそうだったのではありません。その昔はスペインのペソでした。次にイギリスのポンドでした。そして今は米ドルです。その時代を反映して、世界の基軸通貨は変化してきました。

スペインやイギリスの通貨が流通していたのは、植民地時代に主にやり取りされていた通貨だったためです。

今回は、世界基軸通貨の「ドル資産を持つ3つの理由」を考えてみます。

(1)円とドルはトレードオフ

円の価値が上がれば、ドルの価値が下がる
円の価値が下がれば、ドルの価値が上がる

このように、「一方が上がれば一方が下がる」。まるでシーソーのような関係を「トレードオフの関係」と呼びます。

ドルと円はトレードオフの関係です。

ニュースでは、必ず円とドルの為替情報が流れます。円安ドル高、円高ドル安という言葉を耳にしますね。

円の価値が下がれば、貯金している金額は変わらなくても資産的には目減りします。逆に、円の価値が上がれば資産的には増えます。

気付いていませんが、為替が変動する度にあなたの資産は増えたり減ったりしているのです。では、そんな為替のリスクを回避するにはどうすればよいか?

理想的には、円とドルを半分づつ持てばいい(笑)。しかし現実には難しいですね。せめて全資産の3〜4割がドル資産だと、円安になっても安心できます。

2020年には東京オリンピックがあります。これまでの歴史から見ると少しは景気が良くなりそうです。しかし、オリンピックが終わった途端、経済が停滞するのがパターンです。その時に円安ドル高になる可能性は十分に考えられます。

その時にドル資産の価値があがっていたとしたら、円安で日本が大変な状況にも関わらず、楽しみでもありますね。

物事には必ず光と影があります。どんな状況になったとしても、事前に備えておけば安心ですね。

(2)資産を分散する 

日本は世界で最も借金の多い国です。1,000兆円の借金を抱える日本で働いて、日本円だけで資産を持つのはリスクは高い。

私たちは、山一證券の破綻で分散することを学びました。絶対にありえない一流の金融機関が破綻してしまったからです。その当時、資産として自社株を持つことがあたり前の時代でした。破綻した山一證券の社員は、資産として保有していた自社株と収入を得る場所が、同時に消滅してしまったのです。

私たちは、このエピソードを笑うことができるでしょうか?

ほとんどの日本人は、日本円の資産しか持っていません。日本が最悪の事態になった時、山一證券の社員のようにすべてを失う可能性があります。

資産は分散しましょう!

 

(3)流通量が多い

世界で最も流通している通貨は米ドルです。その年によって流通する量は変化しますが、ザックリこんな感じです。

 米ドル:40%
ユーロ:20%
ポンド:10%
日本円:10%
その他:20%

流通量が多い通貨のメリットは、両替が簡単で安価なことです。
どれだけ小さな国に行ったとしても、米ドルなら両替できますし両替手数料も安価です。

そして決済しやすい。
主に米ドルを軸にビジネスが展開されているので、多くの取引で米ドルでの決済ができます。

さらに、安定している。
通貨取引量の40%を占め、価値の変化がおだやかで安定しています。

安心できる資産の1つとして、米ドルがおすすめです。

多くの通貨が米ドルに連動しています。基本的に「●●ドル」と名付けられたドル仲間の通貨は、米ドルと深い関係にあります。
例えば、香港ドル、カナダドル、豪ドル、シンガポールドル・・・などですが、いずれもドル資産として人気があります。

 流通量の少ない通貨(マイナー通貨)は、両替手数料が高価だったり、決済できなかったり、不安定な通貨だったり・・・
ということがあるので注意です。

と考えると、ドル資産を持っていても損はしない。
ただ、どうやって保有すればよいか?が気になります。